分かっているのに止められない!Jリーグのドリブラー日本人編

よくあげられるJリーグと欧州の違いの一つにドリブルの数がある。
そのドリブルとはコネるドリブルや時間を作るドリブルではなく仕掛けるドリブルのことだ。
Jリーグは1対1のシーンでバックパスを選択する選手が多い。だからこそドリブルで仕掛ける選手は際立つ。
2016シーズンのJリーグから僕が思うTOP3のドリブラーを紹介していきたい。

1、斎藤学

文句なしでJリーグのNo.1ドリブラー。
これまでもドリブルが得意な選手ではあったが、今シーズンはドリブルで突破する回数、フィニッシュに絡む回数が急増した。
マリノスのチャンスのほとんどは、斎藤学が1人、2人はがすところから生まれている。
斎藤学の場合、行ける!というシーンはほとんどいくし、厳しいか?というシーンでも突破を試みるので、DFは普段より気合を入れて止めに行っているはずだ。それでも抜いてしまうすごさが今の斎藤学にはある。
また、ドリブルのパターンも型にはまっておらずJで最も多様だ。
それが分かりやすく出たのが、2ndステージの鹿島アントラーズ戦。
 

0:27~ ペナルティーエリア内で二人をかわし、クロスを上げ決定的チャンスを演出したシーン。ペナルティエリア内で相手を飛び込ますドリブルで、これは斎藤学の細かいタッチがあるからこそ可能な技だ。ちなみに東アジアカップのオーストラリア戦でも同じような形からゴールを決めている。

2つめのパターンは、鹿島戦の1:40~のシーン。左サイドのタッチライン際で受け、中央に切れこみ、シュートし、伊藤翔がコースを変えゴールが決まった。
ここでは、これまで幾度となく見せてきた左サイドからカットインし、クロス、またはシュートという斎藤学の代名詞ともいえる形だ。このパターンは、最初の細かいタッチのドリブルというよりは、緩急をつけ、一瞬のスピードで振り切るドリブルだ。
この形で、これまでも幾度となく突破してきたが、最後のシュート精度はいまだに課題。ニアに打ってキーパーに弾かれる場面が多いので、ファーに巻いて打てるようになればより決まるはず。

3つめのパターンは、2:55~のシーンで、ハーフウェーラインから一人で持っていき、昌子をかわしてゴールに流しこんだシーンだ。これも今シーズン何度も見せている形で、自陣や中盤から、スピードにのって30m~40m独走するドリブルだ。
このドリブルでは、トップスピードでもボールを思い通りに運べる技術が光っている。

これほどドリブル突破のパターンが多い選手はなかなかいない。ドリブルでは、今海外にいる武藤、原口、宇佐美などに全く劣っていないだろう。今後優勝に導くべくマリノスに残るのか、国内の強豪や海外に移籍するのか、動向が楽しみだ。
 

2、伊東純也

現在、縦にスピードでぶっちぎるドリブルで彼の上をいく者はいないだろう。
若かりし石川直宏を彷彿とさせるような自陣からスピードにのって独走するドリブルに加え、小刻みな切り替えしで相手を置き去りにできる。
甲府時代はFWで使われ、一人でなんとかしてくれというシーンが多く、それでも一人で打開はしていたが、ゴールまで行けることは少なかった。それに比べ柏では、右サイドで使われているものの、ポゼッションしている時間が長いためより仕掛ける回数は増えている。
また、彼はドリブルだけでなく、クロス、シュートのパターンも豊富だ。状況に応じて、ふんわりクロス、低くて早いボールなど球種を蹴り分けることができる。DFはクロス、シュートを警戒しなければならないことから、より伊東のキックフェイントや切り替えしが活きるという好循環になっている。
 

3、泉澤 仁

最後は大宮の泉澤だ。
あまり脚光を浴びることはないが、ドリブラーとしてはJ屈指。
彼は左サイドでボールを持つと独特のタッチと緩急で突破する。ほぼ止まった状態からキュッと抜くドリブルはとても見ていて面白い。
上記の2人に比べるとドリブルのパターンは少なく、縦に突破してクロス、中に行ってシュートがほとんどだが、それでも突破してしまうのが素晴らしいところだ。
特に右のインサイドで縦に持ち出すドリブルは一見の価値あり。見ていても「何で抜けるんだろう?」と不思議に思うほどだ。
こればかりは対峙しないとわからないすごさがあるのだろう。
下の動画の2:05~のエウシーニョを置き去りにしたシーンやその下の平川と対峙したシーンで見ることができる。

番外編

他にも浦和の関根、川崎の車屋など候補はいたが、いずれも両チームの戦術的にDFに対して有利な状況で受けていることが多く、単純に1人、2人を相手にした個人での突破では、上記の3人の方が上回っていると判断した。
今シーズンは怪我やレギュラー争いであまりプレーできていないので、選ばなかったものの、過去にドリブルが得意だった阿部拓馬や大津の復活にも期待したい。
次回はJリーグにいる外国人のドリブラーを取り上げたい。