【神戸vs柏】勝ちを確信した柏。スナイパーの一撃に足元すくわれる


試合総括
柏、神戸ともに前に強烈なブラジル人選手がいるので、お互いの攻撃陣がどれだけ相手の脅威になれるかがポイントと予想された。
逆に言えば、それをお互いの守備陣がどれだけ抑えられるかというのも見どころだった。
前半は、柏がボールを支配する。
素早い攻守の切り替えから、すぐにボールを奪取することができていた。また、遅攻と速攻もチームとして使い分けられていた。
一方神戸は個人個人の役割があいまいで、チームでどう攻めるかが伝わってこなかった。
後ろからのビルドアップができないため、レアンドロやペドロが組み立てに参加し、そのため、最前線に枚数が不足してしまっていた。
先制点は柏。クリスティアーノのCKを中谷がヘディングで決めた。
神戸の問題点は、CKから決められてしまったことよりも、CKの与え方にある。
このCKは岩波のクリアミスから与えてしまっていて、さらにこの5分ほど前にも橋本がバックパスをミスし、柏にCKを与えてしまっている。
不用意のプレーから招いたCKは失点につながりやすい。神戸はもったいない失点だった。
前半はそのまま終了。
後半も柏ペースで試合は進む。
ただ、神戸の両サイドが高い位置を取るようになり徐々にチャンスを作り出す。特に左サイドの橋本は何度か起点になれていた。
ペドロとレアンドロはときどき脅威となるも周りの選手との連携は欠いているため、柏からすれば集中して守れば大丈夫だろうと思われた。
しかし、神戸が後半30分頃に中坂と石津を投入すると、ゴールに直接的に向かうプレーが増え、徐々にチャンスを作り出す。
すると、後半43分、石津のパスをレアンドロがファーストタッチで反転し、間髪入れずにシュート。
これが、ゴール右隅を射抜き、神戸が同点に追いつく。
柏からすれば、中谷が石津が仕掛けて来るのに備え、カバーのポジションをとったため、レアンドロを離してしまったことで、レアンドロがフリーになってしまったことが原因。
ただ、ボールを受けてから、シュートを打つまでのスピード、シュートのスピード、コースすべて申し分なく、ワールドクラスのゴールだった。
柏からすればしょうがないといってもいいと思う。
シュートを打ったレアンドロと、中坂と石津を投入し、流れを変えたネルシーニョを褒めるべき。

試合はそのまま終了。
終始柏が優勢も、決定打を欠き、終了間際に神戸が個の力で同点にした試合だった。

採点
☆ヴィッセル神戸
18 キム スンギュ 5.0
CKのボールの目測を誤り、失点に絡む。
クリスティアーノはその少し前のCKでも同じようなボールを蹴っていたので、そのときに球筋を掴んでおくべきだった。
シュートストップはかなりのレベルだと認識しているが、ハイボールは少し苦手なのかもしれない。


5 岩波 拓也 5.5
ディエゴ・オリヴェイラが背負って受けたときの対応が悪い。
ほぼファールになっていた。
ディエゴ・オリヴェイラは倒れ方がとてもうまいので、審判はファールを取らざる得ない。
岩波はそれに早く気付いて、ボランチ一枚と挟み込んで奪うなどの工夫がほしかった。
ロングボールも精度を欠いていた。
五輪でも見受けられたが、審判の判定への反応や、プレー中の顔を見てもイライラしている様子で、
伸びるためには精神面の成長が必要なように感じる。

39 伊野波 雅彦 5.5
岩波同様ファールが多かった。
これまで多くのチームでプレーし経験は豊富なはずだが、プレーからは全く感じられなかった。
これまでいろんなポジション、いろんな役割で使われてきたことで、どのポジションでもスペシャリスト並みの実力がつけれなかったのでは。

44 橋本 和 6.0
前半は守備に追われ、伊東のスピードに苦しむ。
後半は高い位置をとれるようになり、ボールを持ったときは最低でもコーナーにできていた。
ほしいタイミングでボールが来ていないので、それは味方にしっかり要求するべき。
センターバック、また、高橋峻希が、単純に見えていないのか、見えているが技術的な問題で蹴れないのか。
神戸のワイドに使う戦術では、サイドチェンジがないと厳しい。
渡邊千真との連携も皆無なので、それも構築する必要あり。


6 高橋 峻希 6.0
ガツガツした守備でクリスティアーノを苦しめる。
攻撃面ではクロスの精度を欠く。レアンドロもイライラしている様子がうかがえた。
ただ、現実的にサイドで1対1で抜き去り、精度の高いクロスを味方の元に届けるというのは要求が高すぎる。
本人は自信を持っているように見えるが、客観的に見てその戦術では、
高橋の実力がマッチアップする相手に劣る場合攻撃が手詰まりになってしまう。
そして、そういう状況は珍しくないはずだ。
高橋が持った時に連携できる選手を右サイドハーフに置くか、レアンドロかペドロが下りてきて数的優位を作るか、
どちらかはオプションとして持っておくべき。


8 高橋 祥平 5.0
あまりボールに絡めず。
中盤の潰し屋としても、バスの配給役としても存在感を欠く。
両サイドバックが高い位置を取るので、そのカバー役を任されているのだと思うが、
結局2人とも攻撃して、奪われたら全力で戻って、と言う過重労働状態になってしまっていた。


14 藤田 直之 5.5
あまり有効なボールをボールを出せず。
セットプレーとロングスローにおいてはチームに貢献していた。
球際の強さ、運動量の部分ではサガンにいたときよりスケールダウンしたか。


19 渡邉 千真 4.5
そもそも左ウイングをできる選手ではない。
ワイドでボールを受けても何もできないし、中央に侵入してもブラジル人2人と全くイメージを共有できていない。
彼はゴール前、また、ミドルレンジからシュート技術に特徴がある選手なので、中央に配置しなければ意味がない。
ネルシーニョがどのような意図で彼を左サイドに張らせたのか疑問を覚える。
ザック時代の岡崎のような、偽右ウィングとして使うにしては、渡邉千真の適性がない。
FWがレアンドロ、ペドロで固定ならば、彼に代えて石津をスタメンで使ったほうがいいだろう。

 
24 三原 雅俊 4.5
彼もなぜ右サイドで使われているのか。
ボールをもって何かできる選手ではないはずだ。
どちらかといえばボールを持っていない時のフリーランで貢献する選手だろう。
両ウィングがこの2人では、サイドバックが孤立無援でかわいそうだ。
 
7ペドロジュニオール 5.0
中山とのマッチアップはほぼ全敗。
珍しいドリブル時のタッチミスもあり、リズムに乗りきれなかった。

11 レアンドロ 7.0 MOT(Man of the Team)
得点を決めるまでは、シュートチャンスでヒットできなかったり、
味方にイライラしていたりでブラジル人がダメな日の典型的なパターンかと思われたが、レアンドロは違った。
得点シーンでは、驚くべき集中力で、完璧なトラップからシュートまで決めて見せた。
また、よく見てみると、ボールをもらう前、また、もらった後も一度もゴールの位置を確認していない。
完全に感覚のみで、鋭いシュートを右隅に突きさしたというのか。
常にゴール(標的)の位置を知っている。スナイパーレアンドロ。


23 松下 佳貴 5.0
ボールコントロール、球際などまだ多くの面で物足りない。


31 中坂 勇哉 6.5
チームに勢いをもたらす。
予測不能のプレーをするので見ていて面白い。
レアンドロとの息もあっている。
守備面で、まだ先発では使えないのだろうが、ジョーカーとしては十分怖さがあった。


9 石津 大介 6.5
レアンドロのゴールをアシスト。
石津のような味方がフリーでもシュートをチョイスする選手はエゴイストタイプはそれだけで相手に脅威になる。
おそらく石津が仕掛けてくると思ったから、中谷もカバーのポジションをとったのだろう。
以前柏戦で活躍したことがあったこともあるかもしれない。
石津のプレーを見ていると、そこはパス出せよ。。と思うシーンもあるので、より自分で行くところと周りを使うところの判断を鍛えてほしい。


☆柏レイソル
1 中村 航輔 6.0
失点シーンはノーチャンス。


4 中谷 進之介 6.5
先制点はディフェンスの上から叩きこむ素晴らしいヘディングだった。
ロングボールの精度も相変わらず高く、対人も強かった。
失点に絡んでしまったが、1点を守り切るべきだったというよりは、追加点をとるべき試合だったので致し方ない。
五輪選出されたのは岩波だったが、Jのパフォーマンスでは中谷が上をいっている。


29 中山 雄太 6.5 MOT(Man of the Team)
川崎戦、鹿島戦に続いて素晴らしい出来。
最初は育成の意味を込めての起用だと思っていたのだが、完全に実力で奪ったスタメンなんだなと。
1対1の対応、カバーリング、ロングフィードの正確さ、すべてハイレベル。
この試合ではペドロにほぼ勝っていた。
印象的なシーンがレアンドロが中山の股を狙って、ペドロに出してパスを、足を閉じてストップしたシーン。
対面している相手だけでなく、他の選手の動きまで把握しているとは驚いた。
少なくとも19歳の頃の吉田麻也は凌駕していることは間違いない。


8 茨田 陽生 6.0
いい意味で目立たない選手。それだけ自然に右サイドバックを全うできているということ。
オフェンス面では、伊東の外を追い越す必要はないので、絡み方が難しいが、後方からのパスでビジョンをみせてほしい。


22 輪湖 直樹 5.5
やはりフィジカルの弱さが気になる。
毎試合スライディングの数が多いのは、ショルダーチャージを避け、足が先に出る傾向があるからだ。
フィジカルコンタクトのシーンでは審判がファールを取ってくれることも多いが、見ていて危なっかしい。


17 秋野 央樹 6.5
中盤でバランスをとっていた。
また、セカンドボールをよく拾えていた。
大谷をベンチに追いやっているという事実でもはや実力は証明されているといっていい。


28 栗澤 僚一 6.0
スルスルとペナルティーエリアに侵入する。
十分攻撃のアクセントにはなっているので、あとは得点に絡みたい。


25 小林 祐介 6.0
いろんなところに顔を出す汗かき役。
よくチェイスしているし、局面ではファイトしているのだが、このままでは絶対的存在にはなれない。
攻撃面で、ゴールに絡む気配がないからだ。
チャンスの場面でボールを持っても何かを起こしてくれる期待感はない。
シュート、ドリブル、パス、何かしらをもっと伸ばさないとポジションは違えどレスター岡崎のように代替可能な存在で終わってしまう。


14伊東 純也 5.5
相変わらずスピードとキレはすごい。
試合序盤は積極的な仕掛けで目立っていた。
ただ、後半は徐々に存在感が薄くなる。
理由ははっきりしていて、ほしいタイミングでボールをもらえていないから。
1対1の状況さえ、作れれば勝率は5割以上なので、彼にはスピードに乗ってるときにシンプルにボールを預ければよい。
特にディエゴ・オリヴェイラが必ずまず相手をかわそうとするため、伊東に出すタイミングを逸している。
鹿島戦でもそういうシーンはあったので、伊東はきちんと要求するべき。


37 クリスティアーノ 5.5
今日は調子が悪かったか。
相変わらず、CK、FK、サイドチェンジでは魅せてくれたものの、流れの中でボールを持ったときは、ほとんど何もできなかった。
クリスティアーノでも調子が悪い日はあるので、そういうときは、右の伊東をもっと積極的に使うなど、チームとしても工夫がほしかった。


11 ディエゴ・オリヴェイラ 5.0
先述したように、くさびを受けたときのタッチ数が多すぎる。
この試合では、ファールを受ける回数が多く、イラついていたが、まともにディフェンスのチャレンジを食らうのはタッチ数が多いからだ。
ワンタッチ、多くても、ツータッチで味方に預け、もう一度ゴール前でもらう動きをするべき。
もちろん技術的にかわせるときもあるし、それができたときに大きなチャンスにはなるのだが、味方が「オリヴェイラに入ったときに動き出してもボールが来ない」と思ってしまったら、攻撃が停滞する。
オリヴェイラがかわせるのも味方の動き出しをおとりに使っているからなので、味方が動き出しをやめてしまったら何もできなくなる。
チームのことを考えれば、特に伊東純也はもっと簡単に使うべき。
オリヴェイラのジェスチャーを見ていると、周りの動きは見えているので、あとは自身がコネたい欲求に勝てるか、チームの利益を優先できるか、にかかっている。
 

7 大谷 秀和 5.5
パスミスが多かった印象。
チームが追加点を取りにいくのか、1点を守り切るのか明確に示せなかった。


19 中川 寛斗
10 大津 祐樹
採点なし


主審 池内 明彦 5.0
全体を見れば、おかしな判定はなかったが、細かいところで柏寄りだった。
特に神戸がカウンターに行けそうな場面で、ファールでもないのに止めたのは少々不可解だった。