【川崎vs横浜】ジェットコースターのような試合、これぞ等々力劇場

試合総括

予想通りフロンターレがボールを保持し、マリノスが自陣にひく展開。
フロンターレは、三好が狭いスペースでボールを受け、ドリブル、パスなど多彩な展開ができていた。
一方マリノスは、斎藤学とマルティノスがワイドで受けて仕掛ける。単純だが、2人の個人能力でサイドを割られることは何度かあった。
前半に小林悠のクロスを狩野が決め、ヘディングで先制。
フロンターレは同サイドでショートパスをつなぐため、どうしてもそのとき中のマークはルーズになる。
クロスを上げた小林悠の判断とその精度、中でマークを外していた中野の嗅覚が光った得点だった。
前半はそのまま終了。

後半も同じように三好が効果的な動きを続け、そこに大島、憲剛からパスが入りチャンスになる。
後半半ばにエウソンのプレゼントパスを小林悠が決めきれない。
だが、後半37分に小宮山を投入し、田坂を左サイドハーフに移すと、その2分後田坂の正確なスルーパスを三好が絶妙なトラップからループで決める。
「これで勝負あり」と思われたが、新井が谷口との衝突で長い時間倒れていたことからロスタイムがまさかの9分。
それでもフロンターレはうまくつないでいたが、マリノスが前がかりになっていたことで、ボールを奪ったときに広大なスペースがありフロンターレも攻めにいってしまった。
カウンターで前に人数をかけるも、大島がパスでボールを失うとその流れから、天野のクロスを伊藤がヘッドし、高木がはじいたところを中町に押しこまれる。
その2分後には三好の不用意なパスかを斎藤学に奪われ、折り返しを伊藤翔が蹴りこみ、マリノスが追いつく。
三好のパスのずれはもちろんいただけないが、あの時間帯にして、斎藤学のキレのあるドリブルからの丁寧な折り返しとそれをニアの狭いコースに蹴り込んだ伊藤翔の集中力は見事だった。
フロンターレの選手は倒れ込んでしまい、もう終わったかと思ったが、CKの流れから、田坂のクロスを小林悠がねじこみ、そこで試合終了。

採点

☆フロンターレ

GK 30 新井 章太 6.0
安定したプレーを見せていたが、脳震盪の疑いで退場。後遺症がなければいいが。。。

DF 5 谷口 彰吾 6.0
安定したパス回しと鋭い読みでチームを支える。
失点はしょうがない部分はあるが、チームがイケイケになってしまったときに「落ち着いて回せ!」と言うコーチングはしてほしい。

DF 23 エドゥアルド 6.0
インターセプトと球際の強さが光る。
奈良が戻ってきて、センターバックのチョイスは風間監督は悩むのではないだろうか。
今のパフォーマンスでは谷口は外せないだけに、エドゥアルドと奈良の競争だろう。
もし、エドゥアルドが来年柏に戻るなら、奈良を優先的に使うべきだと考える。

DF 6 田坂 祐介 7.0
これまでベンチだったのが信じられない。
右サイドバックでは体の強さを生かしたディフェンスと、オフェンス面では広い視野、トリッキーなパスでチームに貢献。
途中から移った左サイドハーフでは、絶妙なタイミングのスルーパスと、柔らかいクロスで、2アシストして見せた。
斎藤学とマルティネスのスピードでちぎられる場面はあったが、本職でないDFをシーズン途中からやらされ、総合的に高いレベルでこなしているのは素晴らしい。

DF 20 車屋 紳太郎 6.5
守備では相変わらずの1対1の強さを見せる。
オフェンス面でもダイアゴナルの走りで相手にとって危険なゾーンに入っていた。
来季は、できればシーズン通して攻撃に専念させるため、左ウィングで使いたい。

MF 10 大島 僚太 6.5
卓越した視野と技術で試合をコントロール。
2-2に追いつかれてから攻めあがって、ループシュートを放ったが、あのようなシーンをもっと見たい。
まだ、フロンターレは大島のポテンシャルを最大限引き出せていない。
シーズン10ゴール取れるようになったら、もうJで収まる選手でなくなっているだろう。

MF 14 中村 憲剛 6.5
伝家の宝刀縦パスが冴えていた。
この試合では、前で三好が収められていたことで、大島と憲剛が後ろでボールを持つことができたため、余裕をもってまわせていたことが大きい。
いただけないのは、1失点めの守備だ。
なぜ途中から出てきたドリブラーの前田に軽々と足を出してしまったのか。
試合終了間際だったからこそ、絶対にしてはいけないプレーだった。

MF 18 エウシーニョ 6.5
ドリブル、パス、シュートとほとんどの場面で最善の選択をしていた。
それに比べると、前半狩野がシュートを打った場面や終了間際大島がスルーパスを狙ってカットされた場面など、他の選手がフリーのエウソンを使わないシーンが目立つ。
この傾向は前節の大宮戦でも見られた。
エウソンは、シュートと見せかけてパスをすることが多いし、視野も広いので、エウソンにシンプルに出してもう一度中を使う、という攻撃の方が、
相手ディフェンスが体の向きと目線を動かさなければならないので、マークを外しやすい。
そして、ペナの外から、相手GKが準備できている状態でシュートを打って決められる選手は多くない。
フリーの選手はシンプルに使う、ということをもっと徹底したほうがいい。

MF 25 狩野 健太 6.5
久しぶりの先発で得点を決めるのは簡単ではないはずだ。
試合勘や連携面は難しかったはず。
ただ、狩野は点を決めた。それだけで称賛に値する。
それだけの準備をしてきたということだ。充実した控えが今年の強いフロンターレを象徴している。
フロンターレレベルでは許されないパスミスが散見されたので、次の試合では修正してほしい。

MF 三好 康児 7.0
最後のバックパスミスがなければ文句なしのMOM。
ここまで天国と地獄をいったりきたりする試合も珍しいので、この経験を糧にもっと時間帯を考えたプレーをできるようになれば。
あのミスを抜きにすれば、三好が攻撃を牽引していたのは間違いない。
ドリブル、パス、シュートの判断もこれまでより明らかに向上していた。
スペースを見つけて飛び出す動きも秀逸だった。

FW 小林 悠 8.0 MOT(Man of the Team)
最後のゴールは素晴らしい。
得点力、オフザボールの動きなどではすでに悠は嘉人より上をいっている。
来季は1トップでぜひ使ってほしい。20点は堅い。

GK 高木 駿 6.5
初出場だが、安定していた。
斎藤のカットインからのシュートをセーブしたり、正確なパントキックを見せるなど、持っているものを表現してくれた。
GKとしては30分ほどの出場で2失点は不本意だろうが、1失点めはよく伊藤翔のヘッドに触ったし、2失点めはノーチャンスだったので、責められるものではない。
第3GKは、日頃から本当にわずかな可能性の出場のために練習するので、モチベーションを保つのがとても難しいと思うが、きちんといつ出てもいいように準備してきたんだとプレーからわかった。

DF 18 小宮山 尊信 採点なし
FW 9 森本 貴幸 採点なし

☆横浜Fマリノス

GK 榎本 哲也 5.5
特筆すべきプレーは特になかった。

DF 4 栗原 勇蔵 5.5
精度の高いロングボール、縦パスが何度かあった。
セットプレーからのヘディングも脅威だった。

DF 22 中沢 佑二 5.5
ボール際では粘り強く守っていたものの、三好の2列目からの飛び出しには対応できていなかった。

DF 13 小林 祐三 4.0
1失点めは狩野に中に入られフリーでヘッドを許し、2失点めはパスミスを奪われカウンターの餌食に、3失点めに至っては小林悠のマークを放棄し競ってすらいない。(競っているのは中町)
単純に集中力を欠いていたのだろうが、全失点に絡んでしまった。

DF 24 金井 貢史 5.0
何度かよいタイミングのオーバーラップで斎藤学のドリブルのおとりとなった。
ディフェンス面では、エウソンに翻弄される場面が目立った。

MF 2 パクジョンス 6.0
正確なサイドチェンジで斎藤学、マルティノスを1対1で仕掛けられる状況を作り出した。
今のマリノスの戦術では不可欠な一人。

MF 8 中町 公祐 5.5
セカンドボールを取りきれなかった。
また、斎藤学か、マルティノスがドリブルでえぐっても中の枚数が少ないことがあったので、ボランチの一枚、役割的には中町がペナの中に入ってこないといけない。

MF 20 マルティノス 5.0
アタッキングサード(ピッチを3分割したときの最も相手ゴールに近いゾーン)では、どんどん仕掛けていい。
ただ、やっと味方がとったボールを、ハーフウェーラインより自陣側でみすみす相手に突進して取られるのはいただけない。
ドリブルで抜きにかかるべきか簡単に預けるべきかの判断をしないと今後使われなくなるだろう。

MF 11 斎藤 学 7.0 MOT(Man of the Team)
本日発表の代表にも入らなかったようだがなぜハリルは呼ばないのだろうか。
今のJで毎試合2、3人突破して決定的チャンスを作り出しているのは斎藤ぐらいしかいない。
未だに「マリノスの攻撃は俊輔の左足頼み」などと言ってる人がいるが実際は「斎藤のドリブル頼み」だ。
とはいっても反省すべきところがないわけではない。
毎試合決定的なチャンスまで持っていっているのに得点が少ない。
いいところまでいってもシュートがしょぼいシーンは多いので、よりシュートを極めてほしい。

FW 7 兵働 慎剛 4.5
なぜ兵働がFWで使われていていたのか。
おそらく前線からのプレスのスイッチ役と、運動量とセンスを生かしたフリーランということだったと思うが、結果的には1対1でほぼ負けていたためほぼいないも同然だった。
FWで使ったモンバエルツ監督の采配ミス。

FW 16 伊藤 翔 7.0
前半から積極的な裏抜けと安定したポストプレーで調子はいいのかなと言う印象はあった。
後半も精力的な動きを続け、1点目は高速クロスをよく抑えたヘッドで枠に飛ばし、2点目も左足で狭いニアを抜いた。
終了間際の時間帯に集中力を保っていたのは素晴らしい。まさにストライカー。

MF 25 前田 直輝 6.0
ドリブルで憲剛を抜き、1点目に絡む。
チームに勢いを与えた点で、役割は果たしたといえる。

MF 18 遠藤 渓太 採点なし
MF 29 天野 純 採点なし

主審 家本 政明 6.0
悪名高い主審だが、この試合では不可解な判定はなかった。