【柏×大宮】「大人のサッカー」を見せた大宮。選手層の薄さを露呈した柏。

試合総括

今シーズン4位につけACLの可能性を残す大宮と、ここ4試合1勝2分け1敗と停滞気味の柏の一戦。
注目選手は、柏は田中純也。ポルトガルから帰ってきてからパッとしないが、前節はゴールを決めているので、今節もゴールを期待。
大宮は、両サイドバックの奥井と大屋。彼らが、それぞれクリスティアーノと伊東を抑えられるかがこの試合のカギになる。

試合が始まり前半は大宮ペース。
連動したディフェンスでボールを奪い、すぐに家長や泉澤にボールをつける。彼らはボールを奪われず、ファール最低でもファールをもらえるので、大宮が主導権を握る。
前半16分、家長のリスタートから江坂が裏を取り、大宮が先制。
抜け目なく裏を狙い、難しトラップから難しいボレーを決めた江坂、江坂の動き出しを見逃さず、正確なボールを供給した家長が見事だった。逆に柏の輪湖と鎌田は不注意だった、特に輪湖は自分の視界に江坂が入っているだけについていかなければならなかった。
出鼻をくじかれた柏だが、その3分後には追加点も奪われる。
泉澤のパスに抜け出したムルジャが中村に倒されPK。
このパターンのPKはよくあるが、この場合はムルジャが自ら引っかかりにいっているので取らなくていいと思う。ボールを蹴りだして進行方向に走ろうとしていない。また、仮に中村の手に引っかからなくてもゴールから外に離れていき、決定的場面ではないので、それも考慮したすると、PKは厳しい。レフェリーにはこのようないかにもPKになりやすいシーンほど慎重に判断してほしい。
このまま柏は大きなチャンスを作れず、大宮ペースで前半終了。

後半は、田中純也がボールを引き出し始めたこともあり、前半より柏がボールを回せるようになる。
ただ、後ろから前につけても、サイドから放り込んでも菊池と河本のセンターバック2枚が強いためなかなかチャンスにはならない。
クリスティアーノが強烈なシュートで何度かゴールを脅かすが、単発に終わる。
伊東純也のクロスを横谷が処理ミスし、1点返すもそのまま試合終了。
試合を振り返ると、終始大宮のペースだった。
大宮はセンターバック2枚が空中戦、地上戦共に強い。この二人が安定しているため、大宮は今シーズンの失点数は35と、浦和、鹿島に次いでリーグ3番目に少ない。
また、ボランチ2枚もボール奪取力が高く、セカンドボールの奪い合いで、小林、秋野に負けなかった。
攻撃面では、家長のキープ力と、泉澤の突破力が脅威になっていた。
前半リスタートとPKで2点先取し、後半1点返されたという展開だけ見ると、接戦だったように見えるが、全体を通してみるとスコア以上に大宮の完勝だった。
以前のNumberの記事で大宮をアトレティコに例えた記事があったが、あながち間違っていないと試合を見て思った。
 

一歩で柏の敗因は、控えが機能していなかったことといえる。
中山の代役の鎌田、茨田の代役の湯沢、増嶋、ディエゴオリヴェイラの代わりの田中順也、全員及第点はつけられない。
鎌田は中山がチームにもたらしていたラインコントロールとビルドアップ能力に欠け、2失点に絡んだ。湯澤、増嶋も茨田のようなボール回しのビジョンを持っていないので、パス回しの流れが悪くなっていたし、田中純也はボールに関わる回数が少なすぎた。
代役として、別のストロングをチームにもたらせればよかったが、実際はレギュラーの不在を際立たせるだけだった。おそらく年齢から考えて、鎌田、増嶋、田中順也はレギュラーメンバーより年俸が高いと思われるので、今シーズン限りで退団の可能性もあるのではないだろうか。
結果として、攻撃面で、クリスティアーノ、伊東頼みになり、大宮が守りやすい状況を作ってしまった。
試合を総括すると、個の能力が高く、チームとしても連動していた大宮が、控えと主力がかみ合っていなかった柏を下した、という試合だった。

採点

☆柏レイソル

23 中村 航輔 5.5
1点目はコーチングで防ぎたかったところ。
2点目は飛び出し方が軽率だった。ギリギリのところで腕を引っ込められるようにしてほしいというのは過度な要求だろうか。

2 鎌田 次郎 4.5
中山の不在を感じさせてしまった。
ビルドアップの段階ではすぐにパスを出すべきだ。どうせ横に出すのになぜ3タッチも4タッチもするのだろう。テンポが悪くなっているだけだった。
1点目は輪湖の責任も大きいので、見逃すとしても、2点目は受け入れられない。泉澤がフリーで前を向いている段階で、ラインを上げてオフサイドが取れるわけがない。センターバックとしてやってはいけない無責任なプレーの典型だ。
きちんとついていけば、PKになることはなかったはずだ。
柏はなぜ今シーズン彼を獲得したのか不思議である。

4 中谷 進乃介 5.5
相変わらずの素晴らしいフィードが何度か見られた。
中谷自身のパフォーマンスは悪くないだけに、チームとしてうまくいっていないのがもどかしいのではないだろうか。
とはいっても前半のFKからの決定機は決めなければならなかった。

21 湯澤 聖人 4.0
大宮の左サイドの泉澤、流れてくる家長らを止められず。
試合に入れていなかったので、前半30分頃で交代させられたのは妥当だろう。

22 輪湖 直樹 5.0
1点目では江坂のマークを怠る。
オフェンス面では何度かよい形で抜け出し、クロスを送るも得点にはつながらず。

17 秋野 央樹 5.0
中盤で潰し役としても配給役としても機能せず。
家長を捕まえきれず、パスも精度を欠いた。

15 武富 孝介 4.5
よく動いてはいたが試合に大きな影響は与えられず。
もっとクリスティアーノ、伊東純也が持った時にサポートに入る意識が必要。

25 小林 祐介 5.0
攻守にはわたって走ってはいたが、J1で活躍するには武器が足りない。
フィジカルの強さと高さがない分、運動量以外で存在感を示す必要がある。それが今野のようなボール奪取なのか、柏木のような攻撃参加なのか、井手口のようなミドルシュートなのか、何かがないと来シーズンは出られないのでは。

14 伊東 純也 6.0
いつも通り積極的な仕掛けで、ゴールにも絡んだが、大屋に思ったよりも苦しんだか。
ディエゴ・オリベイラがいなかったことで、マークがより厳しくなったこともある。
とはいっても来シーズンは縦への突破→クロスのパターン以外に周りとのコンビネーションや遠めからのシュートをより高めてほしい。絶対に代表まで昇りつめてほしい選手。

37 クリスティアーノ 6.0 MOT(Man of the Team)
相変わらずの強烈な右足はゴールまであと少しだった。
また、最後まで勝利をあきらめない姿勢はとてもよかった。
来季はシーズン通して柏でプレーして、得点王を狙ってほしい。

9 田中 順也 4.5
ボールに関わる回数が少ない。
また、かれはトップで使うなら2トップタイプで、1トップでは使えないと思う。
背負って時間を作れるわけではなく、前線からのプレスも物足りない。
前を向いた状態からの左足のシュート、クロスに特徴があるので、今の武富のポジションで使うのが良いのでは。
とはいっても、似たタイプのハモンロペスにオファーを出しているということは、今シーズン限りで放出の可能性が高いが。

【途中出場】
5 増嶋 竜也 4.5
泉澤に翻弄される。ほとんどの1対1で負けていた。
守備の安定のために投入されたベテランがこれではまずい。
また、パスがちょっとずれていたり、ちょっと浮いていたりして、受け手が受けたあと窮屈になるパスが多かった。

10 大津 祐樹 5.5
10分程度の出場ながら、積極的にボールを受け、リズムを変えた。
意表を突くヒールキックなど、大津の良さも随所に見られた。
ただ、大津がスタメンで出れない理由がわかるワンプレーがあった。
伊東のパスが少し長くてトラップできなかった時にボールがまだ出ていないにも関わらず追うのをやめてしまったのだ。
負けた状態で途中から入ってきた選手が、まだ出ていないボールを追わないのはありえない。
以前は五分五分のところに突っこんだり、出そうなボールをあきらめずに追っかけていたはずなのだが。。。ここ2年間活躍できていないので、大津が来年も10番を背負うことはないだろう。

34 ドゥドゥ 採点なし

☆大宮アルディージャ

21 塩田 仁史 6.0
オウンゴールは防ぎようがなかった。
他は安定していた。

2 菊池 光将 6.5
柏のオフェンス陣をシャットアウト。

3 河本 裕之 6.5
武富とマッチアップの回数が多かったが、全く仕事をさせなかった。

19 奥井 諒 6.0
クリスティアーノと輪湖の食らいついた。
何度かシュートやクロスまでもっていかれたが、最終的にゴールやアシストを許さなかったという点で及第点。

20 大屋 翼 6.0
後半は何度か伊東に突破を許すも全体としては、自由にさせなかった印象。

15 大山 啓輔 7.0
タフなディフェンスで中盤を制圧。
フィジカルコンタクトも強く、セカンドボールを拾って攻撃の起点になった。

17 横谷 繁 7.0
柏のプレスにも動じずボールをつないだ。
家長や江坂が持った時もサポートのタイミング、ポジショニングが良く、大宮のポゼッションをコントロールしていた。

39 泉澤 仁 7.0
湯澤、増嶋をドリブルで翻弄。
細かいステップで相手のタイミングをずらし、ほとんど奪われることはなかった。
必殺のゼロヒャクフェイントで増嶋を抜き去るシーンも見られた。
来シーズンはよりゴール、アシストを増やすために、ドリブルをゴール前で発揮する回数を増やしたい。
 

7 江坂 任 7.0
チームのタスクを怠らず、ストライカーとしてゴールへの嗅覚も発揮。
実力的にはムルジャではなく、江坂が1トップを張っていてもおかしくはない。

41 家長 昭博 7.0 MOT(Man of the Team)
江坂のゴールをアシストし、PKもきっちり決める。
ボールの受け方が巧く、どんなに相手が厳しくきても慌てることがない。
なぜ代表に入らないのか不思議な選手。

8 ドラガン・ムルジャ 6.0
PKを獲得したんもののそれ以外はあまり存在感を出せず。
もっと大宮に合ったFWはいるはず。ムルジャは裏抜け、1対1の仕掛けに特徴がある選手だが、いまの大宮にはもっとポストプレーが巧い選手が必要だと思われる。
決定力はないが、プレースタイルは鹿島の赤崎の方がムルジャよりハマると思う。
ボールを中盤で一回受けて、もう一度ゴール前に入っていくことができる。

【途中出場】
13 渡部 大輔 採点なし
16 マテウス 採点なし
18 横山 知伸 採点なし